地上型レーザスキャナ(TLS:Terrsetrial Laser Scanner、以下TLS)はノンプリズムトータルステーションと同様に測距、測角により三次元座標と反射強度を測定する機能を有し、測距光を高速で操作することで高密度な三次元計測データを短時間で取得することが出来る測量機である。
(背景)
国土地理院では地上レーザスキャナを用いて測量を実施する場合の標準的な作業方法を規定した「地上型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)」を制定し、数値地形図の作成と三次元点群の作成の2つの測量方法を規定している。これにより、狭い範囲における大縮尺数値地形図の作成や地表面の精密な形状を三次元点群として取得することが可能となる。
又、国土交通省では、H28年度から始まったi-Construction施策(ICT施工」において「起工測量」、「出来形計測」などで三次元点群データによる面的な計測を基本とした基準類(レーザスキャナを用いた出来形管理要領)を制定し、運用を始めている。
高密度な三次元計測データの取得機器として位置付けられている地上型レーザスキャナは取得した三次元計測データが信頼性の高いものではなくてはならず、機器の性能を評価する試験方法の早期の確立が必要との判断から(一社)日本測量機器工業会はTLS規格開発研究作業WGにて検討した結果、TLSの基本性能の指標として、「距離及び面精度」と「座標精度」を定義し、その測定方法を「地上型レーザスキャナ性能確認に関するガイドライン」JSIMA115として規定し、H29年1月1日付で制定した。測定方法など詳細はJSIMA115の書籍を参照下さい。
H29年3月31日付で国土交通省から「レーザスキャナを用いた出来形管理要領」の改正版が発出され、機器の精度確認方法に関してJSIMA115に基づく測定方法が採用された。
このような背景に対応するために、(一社)日本測量機器工業会は、JSIMA規格「地上型レーザスキャナー性能確認に関するガイドライン:JSIMA115」として運用を開始することとした。
製造会社名 | 機種 |
トプコン | GLS-1000、GLS-1500、GLS-2000 |
ニコン・トリンブル | GS、GX、TX5、TX6、TX8, SX10 |
ライカジオシステムズ | C5、C10、P16、P30、P40、P50 |
TIアサヒ | S-3180、S-3180V |
リーグルジャパン | VZ-400、VZ-400i、VZ-1000、VZー2000、VZ-2000i |
性能確認試験の料金、試験に要する期間などの詳細は、弊工業会の「検定センター」へお問合せ下さい。